ブリーチで髪が傷むのはなぜか、その仕組みを構造から解説。ハイトーンでも髪への負担を抑えるための考え方と、iLeのエフェクトブリーチの設計思想を紹介します。
結論から言うと、ブリーチで髪が傷むのは、色を抜く反応がメラニン色素だけを選べないからです。同じ酸化の力が、髪の強さを支えているタンパク質の結合まで切ってしまいます。
髪の中で起きていること
髪は、外側を覆うキューティクル、内部を満たすコルテックス、中心のメデュラという層構造でできています。ブリーチ剤はアルカリ剤でキューティクルを開き、過酸化水素をコルテックスへ届けてメラニン色素を酸化・分解します。明るくなるのは、この反応の結果です。
1. タンパク質の結合が切れ、元には戻らない
コルテックスの強度を支えているのがジスルフィド結合(S-S結合)です。脱色の酸化はこの結合も切り、切れた先はシステイン酸という別の物質に変わります。システイン酸は、元のS-S結合には戻りません。トリートメントで手触りは整っても「完全に元どおりにはならない」と言われるのは、この不可逆な変化が起きているためです。
2. 内部を埋めているものが流れ出る
キューティクルが開いた状態では、細胞と細胞のすき間を埋めるCMCやタンパク質が流出します。指通りが悪くなる、パサつく、濡れると極端に伸びる——こうした変化は、内部が空洞に近づいた(ポーラス毛)サインです。色が入っても抜けやすくなるのは、抱えておく場所が減っているからです。
3. 履歴が重なると読みにくくなる
黒染めやセルフカラーの履歴がある髪は、残った色素や薬剤の影響で反応が予測しにくくなります。同じ薬剤を同じ時間置いても、根元・中間・毛先で仕上がりが変わるのはそのためです。傷みが大きく出るのは「ブリーチをしたから」だけでなく、その髪に合っていない設定で反応させたからというケースが少なくありません。
傷みを小さくするためにできること
施術で
一度の施術で狙いすぎないことが、結果的に近道になることがあります。ハイトーンは「何回で到達するか」よりも、その髪が耐えられる範囲で反応を止められるかで仕上がりが変わります。理想の色をそのまま目指すのか、回数を分けて進めるのか——この判断を最初に共有しておくと、途中で無理な設定を選ばずに済みます。
家で
ブリーチ後の髪は、濡れているときがいちばん無防備です。強くこすらずに洗い、タオルで包んで水気を取り、乾かしきってから休む。摩擦と、濡れたまま放置する時間を減らすことが、流出を抑える基本になります。カラーシャンプーで色味を足す方法もありますが、いずれも「減った分を補う」手当てであって、切れた結合が戻るわけではありません。
iLe が見ているのは「必要以上に反応させないこと」
前提として、ダメージをゼロにできるブリーチはありません。そのうえで iLe が取り組んでいるのは、必要以上の反応を起こさないことです。独自技術「エフェクトブリーチ」では、根元・中間・毛先のダメージ履歴を10段階で診断し、過酸化水素の濃度をミリ単位で調整します(パーソナル減力)。断毛を防ぎ、髪の芯を残したまま明るさを出すための設計です。
黒染めやセルフカラーの履歴がある髪ほど、この見極めが仕上がりを分けます。今の髪で何ができるかは状態によって変わるため、施術前のカウンセリングでご相談ください。技術の考え方はエフェクトブリーチのページでも紹介しています。